石原慎太郎・東京都知事は、この数字の重みをどう受け止めるのだろうか。「原発稼働の是非を住民投票で決める条例の制定を求めた」署名32万3,076筆がきょう、石原知事宛てに提出された。署名を提出したのは、市民団体の『みんなで決めよう原発国民投票』。
昨年12月9日から今年3月24日までの間、都内各地で展開されていた署名運動をご記憶の読者も多いのではないだろうか。
都庁第2庁舎1階のロビーには、32万3,076筆が書き込まれた署名用紙を入れた段ボール箱163個が積み上げられた。
署名集めの受任者やボランティアスタッフなどが見守るなか、代表請求者の高田恵理さんらが、都内58自治体の最終署名簿を都庁総務局文書課の安田幸致課長に手渡した。
「都民一人一人の声を都の治世に活かす立場におられる東京都知事の石原慎太郎様。この署名活動の結果を真摯に受け止め、誠意ある行動を答えとして頂けることを望みます」。高田さんが読み上げるメッセージがロビーに響いた。
署名が条例制定に必要な都内有権者の50分の1を超える数であるため、石原都知事は受理後20日以内に議会を招集し審議しなければならない。(地方自治法第74条=条例制定の請求)。
民主党と自民党が支配する国政に訴えても原発は止まらないことから、住民が自治体に対して直接請求したのである。
「お任せ民主主義」が、地震多発の狭い国土に原発を54基も作らせた。「お任せ…」から脱却しないことには、原発は止まらない。
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