国民の家計を直撃する消費税増税。庶民の暮らしとは全く縁のない安倍ボンボンがけさ、日本橋三越を視察に訪れた。
紫のセーターに白のスラックス。プライベートを装ったボンボンは午前10時の開店とほぼ同時に名門百貨店に到着し、従業員口から店内に入った。
「総理、きょうは何を買いますか?」と筆者が問うと「これから決めます」と答えた。
デパートでまともに買い物をしたことがない筆者には及びもつかない答えだった。「デパ地下」、それも夕方7時過ぎの在庫一掃セール以外知らないのだ。
ツイッター上では「三越に庶民は居ないよ」「コンビニでカップラーメンを買って食ってみろ!」、果ては「毎晩のように会食しているマスコミの記者を大勢引き連れて開店と同時に正面から入れば良いではないか」という否定的な意見が飛び交った。
さすがは浮世離れしたボンボンだ。一回の買い物で消費税増税の影響なんて分かるはずがない。数十円から数百円が乗せられているくらいだ。一ヵ月を通した時に恐ろしいほど出費が増えているのだ。
三越店内は記者クラブの代表取材(スチール1社、ムービー1社)に限られていたため、筆者はボンボンが何を買ったのか見届けることができなかった。
「安倍首相の買い物は中止になった」――官邸筋から昨日深夜、ディスインフォメーションが流布された。3月21日、首相がフジテレビの「笑っていいとも」に出演した際、新宿のアルタスタジオ周辺には抗議の人々が押しかけ大騒動となった。この混乱を避けるための情報操作だった。
視察がパフォーマンスに過ぎないことは誰の目にも明らかである。
消費税に苦しむ庶民の生活を知りたければ、下町のスーパーや戸越銀座を視察した方がよいのではないだろうか。