
反米デモの拠点ボリバル広場。建国の父シモン・ボリバルにちなむ。=1月、ボゴタ 撮影:田中龍作=
『米トランプ政権、ICC本体を制裁』の報に触れても、田中は別段驚かなかった。
今年1月、米軍がベネズエラに侵攻した直後のことだった。田中は隣国コロンビアでベネズエラ入りの機会を窺っていた。
トランプがベネズエラ侵攻とマドゥーロ大統領拘束の口実としたのは、コカインの密輸出だった。当然、コロンビアは反発した。
トランプは同様の難クセを付けてコロンビアを「爆撃するぞ」と脅した。隣国ベネズエラへの侵攻は湯気が立つほど生々しい。

在コロンビア米国大使館。写真撮影はご法度だった。=1月、ボゴタ 撮影:田中龍作=
コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領はゲリラ出身の左翼である。トランプにとって思想的には相容れない人物である。
ペトロ大統領は怖気づき、すぐにワシントンに飛んで行った。コカイン密輸に対する取り締まりの強化を約束させられたようだ。トランプへの反発は鳴りを潜めた。
5か月後の今年6月、コロンビア大統領選があったが、ペトロ大統領は出馬しなかった。トランプの脅しがあったのか。明らかになっていない。
ペトロ政権に代わって登場したのは、親米右派政権だった。結果としてトランプにとって都合の良い体制が誕生した。
トランプの大統領任期は、2029年1月20日まである。狂人のことだ。ド肝を抜くようなことをしでかす恐れは充分にある。
~終わり~
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