
小泉氏は小難しい質問が来ると準備した原稿用紙に目を落とした。記者側と打ち合わせができているのだろうか。=20日、都内 撮影:田中龍作=
自民党総裁選の本命と目される小泉進次郎農水相が、きょう20日、都内で政策発表を行った。
語るに落ちるとはこのことだった。
田中は次のように質問を切り出した―
小泉さんはサギ師ではないか?「解党的出直し」と言いながら、政治を腐敗させた悪い人たちがそのまま残っていて実権を握っている。これで、どうして解党的出直しができるのですか?
サギ師でないというのであれば、裏金議員、森友加計、統一教会と関わりのあった議員に離党勧告する、と決然として言うべきではないか?
小泉氏は上手に切り返した。「今の論理で私をサギ師と言うのであれば、今回の候補者も含めて全てそれ(サギ師)にあたってしまうのではないでしょうか」。
田中が「小泉さんは詐欺師の親玉を目指しているのか」とサラ問すると、スタッフにマイクを奪われた。
とはいえ、小泉氏自身が総裁選の後ろめたさを認めたのである。

突入を防ぐために最前列にはバリケードが築かれた。警察の指導である。警備の厳重さはすでに総理レベルだ。=20日、都内 撮影:田中龍作=
小泉氏は治安対策の強化を掲げた。「外国人の不法就労や治安の悪化。それが地域住民の不安につながっているとの指摘がある。治安強化の司令塔を強化し徹底的な対策を進めていく」。
香港フェニックスTVの記者は「日本人ファーストであるとか違法外国人は出ろという政策がある。根拠に乏しい。日本に広がる排外主義について小泉さんの考えを聞かせて下さい」と迫った。
小泉氏は次のように答えた。
「不法滞在や不法就労の防止、医療保険制度や児童手当制度などの不適切利用の是正、土地や不動産取得の透明化。これらの対応を強化する。司令塔は総理が指導する。現在は官房長官がヘッド」・・・参政党の神谷代表が話しているのではないかと錯覚するような内容だった。
さらに「中国・ロシア・北朝鮮はますます既存秩序への挑戦を強め日本を取り巻く安全保障環境は戦後最も厳しい状況になっている」とした。
ライバル候補の高市早苗氏を意識したのであろうが、「小泉政権」はけっこうタカ派になりそうな不安を覚えた、政策発表であった。

夥しい数のTVカメラが放列を敷いた。さすがに人気者である。=20日、都内 撮影:田中龍作=
~終わり~
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