
屈強なボディーガードに守られて街宣会場に入る神谷代表。=17日、大阪難波 撮影:田中龍作=
「参政党はかつての織田信長のように、包囲網を張られている」…京都二条で自らを戦国時代の覇者に喩えてみせた神谷宗幣は、大坂まで早駆けして敵の本丸に乗り込んだ。
維新の聖地ともいえる大阪難波で、大阪選挙区候補者の宮出ちさとと共に街頭演説をしたのである。
大阪は改選4議席のうち維新2議席、自民1議席、公明1議席が指定席となっていた。ところが今回の選挙では参政党が維新の牙城を突き崩す可能性が高い。
マスコミ各社の選挙情勢分析によると、参政党は維新2議席のうちの1議席を奪いそうな勢いなのである。
マイクを握った神谷は「維新は外国人外国資本を入れ過ぎ、カジノは要らない」と斬りつけた。
「日本人ファーストと言うのは反グローバリズムですよ」
「戦後GHQが行ったプログラムによって日本人は心がちょっと病んでるんです。自分の住む国に自信が持てないんです。堂々と日の丸を掲げて、俺たちは日本人だ。日本も素晴らしいんだと言いたい」。
真偽はさておき、神谷は自己陶酔するかのように持論を滔々と展開した。

「なぜナチスが抬頭したのか、歴史に学べ」。女性は目に涙をためながら訴えた。=17日、京都二条 撮影:田中龍作=
快調に勢いを増す参政党だが、首を傾げることがあった。
街宣後の囲み記者会見には記者クラブしか参加できなかったのである。京都会場では「フリーランスの出席はできません」とアナウンスがあり、囲みの輪の中にも入れなかった。
入ろうとしたフリーの記者が力づくで排除されるありさまだった。
大阪会場の場合、囲みの輪の外周に加わることはできたが、質問はNGだった。
田中はゲリラ的に突っ込んだ。「(参政党は)共産党から名誉毀損で刑事告訴されてますよねえ?」と。よりによって殺人の濡れ衣だ。
神谷は田中の問いには答えなかった。田中は参政党のスタッフから「お父さん、どこの人?」と制止される始末だった。

「大阪で強い強い維新に勝ちたい。自民にも勝ちたい」。神谷代表は雄叫びをあげた。街宣車には日章旗が。=17日、大阪難波 撮影:田中龍作=
大手を振って質問できるはずの記者クラブは、緩い質問ばかりだった。
「デマ」と指摘されている発言についても、記者クラブは「デマ」という言葉は用いず「(参政党は)事実と少し違う発言がありますが」などと配慮した。
権力はジャーナリズムによるチェックがなければ独裁となる。安倍政権が格好の例だ。参政党が連立政権の一角に入った時が危ない。《文中敬称略》

警察の警備が厳重でカウンターは街宣会場の中に入れなかった。=17日、大阪難波 撮影:田中龍作=
~終わり~
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【読者の皆様】
参政党の危険性を見届けるために田中は京都、大阪まで足を延ばしました。ファシズムは気づいた時にはもう手遅れです。
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