【ラファ】大量虐殺はこうして証拠隠滅する

作戦行動中の超大型ブルドーザー。撮影は決死の覚悟だった。=昨年12月、ジェニン 撮影:田中龍作=

 イスラエル軍のラファへの陸上侵攻は秒読み段階に入った。

 ハマス掃討で非戦闘員に多大な犠牲者が出ることは免れない。これまでの死者2万8576人(ガザ保健省・14日現在)という数字がそれを物語る。

 イスラエル軍にしてみれば「2万人」という死者の数字を発表されるのも嫌だろうが、虐殺遺体を200体映し出される方がもっと嫌だ。というより何としてでも避けたい。大がかりなオペレーションを実行する際、ネットを遮断するのが何よりの証拠だ。

メルカバ戦車のすぐ後ろ隣にあるのが超大型ブルドーザー。=昨年10月、ガザ北端 撮影:田中龍作=

 虐殺遺体は隠すに限る。前回(2014年)の戦争で元は商店だった所が更地になっていて、キャタピラーの跡が残っていた。地元ジャーナリストは「虐殺があったことを隠すんだ。デッドボディーを埋めてね」と説明してくれた。

 イスラエル軍名物の超大型ブルドーザーが“活躍”したのである。とにかくデカイ。写真中段をご覧頂きたい。メルカバ戦車の後ろにあるのがそれだ。

 メルカバ戦車がどれだけデカイかは下段の写真をご覧いただければお分かり頂けよう。3段論法が示すように、超大型ブルドーザーは巨大なのである。

 昨年11月24日から30日までの停戦期間中、田中はイスラエル軍の前線基地を覗いた。メルカバ戦車は引き揚げてきていたが、超大型ブルドーザーは一台も戻って来ていなかった。

 虐殺の証拠隠滅に勤しんでいたのだろう。

イスラエル兵とメルカバ戦車。メルカバ戦車のデカさが分かる。=昨年10月、ガザ北端 撮影:田中龍作=

 
 ~終わり~

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