ジャニー喜多川氏の性加害を深刻な性的搾取と虐待であると断定し、メディアの加担も認めた国連の調査報告―
極めて常識的な報告を日本政府は「国連専門部会の見解ではない」と、根拠もなく否定してみせた。
7日午前の記者会見で明らかにした松野官房長官の見解と、同時刻にあった立憲民主党のヒアリングで外務省が明らかにした見解は、事前に打ち合わせたかのように異口同音だったのである。
ヒアリングには外務書の他に内閣府、法務省、警察庁、こども家庭庁、経産省が出席した。
各省庁は「個別の事案には個別の事業所で対応する」とかわしたが、これまた松野官房長官の見解とまったく同じだ。
日本政府ぐるみで世界最大規模の性加害事件を揉み消すつもりである。というのも自民党の先生たちにとって抜き差しならぬ理由があるからだ。選挙である。
先生たちは後援会の有力者たちの子息子女をテレビ局に縁故入社させるのだ。有力者は恩にきて、さらに先生のために選挙に励む。
テレビ局はキー局ばかりではない。全国各地のローカル局も当然含む。127局もある。先生たちの力の源泉は百を超えてあるのだ。
一方、人質をとった形のテレビ局は自分たちの要望を先生たちにかなえさせる。免許更新の際の便宜供与などだ。もっと大きい便宜供与は新規参入を防ぐことである。
「持ちつ持たれつ」とは、自民党の先生たちとテレビ局のためにあるような言葉だ。テレビ局と政治家の共存関係は派閥を超えて存在する。
ジャニーズなしでやっていけないテレビ局は、すでに先生たちにシグナルを送っているはずだ。「穏便に」と。
~終わり~
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