カランディア国境検問所付近で27日、イスラエル軍(警察も含む)とパレスチナの少年たちとの間で衝突があった。
兵士の口臭が匂ってくるほどイスラエル軍を間近で取材するのは4年ぶりだ。
田中は撃たれたくないのでPRESSゼッケンを示しながら「ジャパニーズ・ジャーナリスト」と自己紹介した。
だがイスラエル兵は「ジャパニーズ・ノー」と怒鳴り銃口を向けてきた。コミュニケーションを取るのはこの時点で止めた。
投石の少年たちに核兵器を持つ軍隊が本気を出して鎮圧にかかった。イスラエル軍4個小隊は装甲車両を先頭にパレスチナ領土に侵攻していった。
「パーン」「シュルシュルシュル」。実弾と催涙弾の発射音が空を引き裂いた。
少年たちが古タイヤをあちこちで燃やしたためオレンジ色の炎とともに黒煙が空高く上がった。国境付近は市街戦の様相となった。
アルジャジーラは衝突現場のカランディア国境付近からライブで伝えた。アルジャジーラは5月に女性記者を失っている。ジェニン難民キャンプ入口付近でイスラエル軍に射殺されたのである。
さしものイスラエル軍とてライブカメラに向けて発砲はできまい。報道は被占領側にとって身を守る武器でもある。
衝突現場でアルジャジーラの男性記者から「あんたウクライナにいただろう。俺もいたんだ」と声を掛けられた。世界は狭い。
投石の少年たちの多くは、カランディア難民キャンプに住む。イスラエル軍が深夜、キャンプを急襲するのは武装勢力を摘発するためだ。
イスラエル軍が本気を出すのは、武装勢力の少年兵と戦っていると思っているからだろうか。
~終わり~