ゼレンスキー大統領は20日、テレビ演説で「ロシア軍がカフォブスカ・ダムに爆薬を仕掛けた」と明らかにした。「ダムを爆破すれば大量破壊兵器を使ったに等しいと欧州各国の首脳は見做すだろう」とも述べた。
ヘルソン州のドニエプル川に架かる同ダムは水力発電所(最大発電量:334.8メガワット)も兼ねている。
ダムを破壊すれば、停電が続くウクライナの電力供給体制に、さらなるダメージを与えることが可能だ。
プーチン大統領がカフォブスカ・ダムの破壊を仕掛けてくるのは、大きく頷ける。
カフォブスカ・ダムからはクリミア半島に水を供給する運河が流れているが、戦乱により塞がっていて、水はほとんど流れていないとの情報もある。ヘルソンは特別待遇のBBCでさえ入れないエリアであるため、実情は不明である。
ヘルソンはロシアにとって南部最大の砦だが、ウクライナ軍の攻勢に遭って陥落寸前の状態にある。
ヘルソンが落ちればロシアは東部に続いて南部も大敗することになる。プーチンは敗者のらく印を押されるのだ。
ダムを決壊させてヘルソンを洪水状態にすれば、ウクライナ軍の進撃を阻める。ロシア軍にとっては形だけでもヘルソンを失わずに済む。プーチンも敗者のらく印を押されずに済む。
ロシア軍はヘルソン住民を避難と称して強制移住させている。他の地域では住民を盾に取っているのだが、なぜここだけ。首を傾げていたが、しっかり目論見があった。ヘルソンを失わないためだったのだ。
すべてはプーチンのためと言ったら穿ち過ぎだろうか。
~終わり~