過日、ポーランド国境まで足を延ばした。出国手続きを待つ車両の長い列にあらためて驚いた。数えようとしたが途中で頭が混乱してきたので止めた。
トラックとバスはレーンが別だ。バスは13台連なっていた。トラックの10分の1ほどだ。
少ないから早く手続きが済むと思ったら大間違い。乗客1人1人のパスポートをチェックするため結構な時間を要するのだ。
バスの運転手は「もう5~6時間待っているよ」とウンザリした様子で答えた。
近くにガソリンスタンドがあってトイレには長蛇の列ができていた。待ちきれない人が相当数いて当然な状況だった。
道路沿いに木陰があった。のぞいてみた。異臭が鼻を突いた。ボットントイレの匂いである。
散乱する白い紙はティッシュペーパーだった。黒い塊は大便だった。
たとえ御育ちが良くても、立ちションベンをし、野グソを垂れなければならない。
船は穀物輸出のみ。それも限定的。飛行機はまったく飛ばない。出国は陸路に頼るしかなくなる。
国境に立ち込めるボットントイレの悪臭も戦争の現実である。
~終わり~
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読者の皆様
ロシア軍が楯にとるザポリージャ原発は、外部電源喪失が常態化し危険な状態が続いています。
人類にとって最悪の事態が発生した場合、それを見届けるために田中はウクライナ取材を続けておりますが、莫大な経費を要しています。
背負うことが不可能なほどの借金となりました。ご支援何卒お願い申し上げるしだいです。
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