山本太郎 枝野代表のウソばらし東京8区から勇気ある撤退

市民連合と立・共・社・れ4党の政策調印式。この1ヵ月後に「ハシゴを外される」ことを山本は予想していただろうか。=9月8日、参院会館 撮影:田中龍作=

 2週間ほど前のことだった。れいわの記者会見が終わった後、田中はカメラが回っていないことを確認し山本太郎に言った。「枝野(立憲代表)は簡単に前言を翻すから、気をつけといてね」と。

 山本は「そん時はそん時のやり方がありますよ」と答えてニンマリと笑った。

 きょう11日、山本は街頭記者会見で東京8区からの撤退を表明した。立憲から煮え湯を飲まされるような思いだったに違いない。返す刀で立憲が約定を違えたことを暴露した。

 枝野の固有名詞を挙げ、「最初の約束と違う発言が日に日にエスカレートしていった」とまで言って、枝野がウソをついたことを明らかにしたのである。

 立憲との間で東京8区は山本に譲るということになっていた。選挙が近づいたが、山本の立候補発表のタイミングは、立憲の都合でズルズルと先延ばしされて行った。立憲は、吉田はるみ8区総支部長の説得に時間がかかることを理由にあげていた。

 ●●ら3人の立憲幹部は吉田に「次の活躍の場」として来夏の参院選などをチラつかせ、説得に当たっていた。

地元住民の力が立憲幹部による野党共闘の私物化を認めなかった。=10日、杉並区 撮影:田中龍作=

 杉並区の地元住民たちは共に汗を流していた吉田が8区から剥がされそうになっていることを察知した。

 彼らは、共産党中央委員会や立憲党本部に要請を掛け「私たちは吉田さんで行きます」と表明していた。10月5日には枝野代表の地元事務所(さいたま市)まで足を運んだ。

 10月8日、山本が8区からの立候補を宣言すると、地元は騒然となった。枝野は「困惑している」などと言ってウソをつかざるを得ないところまで追い込まれた。

 立憲幹部は山本に空手形を切ったのである。立憲幹部の不誠実な対応は噴飯ものである。自業自得とはいえ、衆院選挙に向けて大きなダメージとなった。

 山本太郎は「そん時はそん時のやり方」で立憲幹部へのリベンジを果たしたのである。(文中敬称略)

     ~終わり~

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