貧困はさらに広がり若年化が進む。反貧困ネットワークの瀬戸大作事務局長が担う緊急アクションには住み家を失い、食べて行くこともできず、所持金数十円になった人々がSOSを送ってくる。
今回の緊急事態宣言発出後、SOSの中心は20~30代の若者で、全体の7割を占める。相談事の中心は「死にたい」だ。
憲法記念日のきょう、四谷の聖イグナチオ教会で、大人食堂が開かれた。憲法25条で保障された生存権を脅かされている人々が列を作って食料の配布を受けた。
今回の大人食堂は、大根、キャベツ、ニンジン、長ネギなどが、八百屋のように並んでいるのが特徴だ。
スタッフによれば「家がありながら生活に困窮している人が増えているので、調理できる野菜を揃えた」。正油まで付ける心配りには感服した。
会場を訪れた人々は、生鮮野菜、コメ、肌着などを次々と袋に詰めていった。
驚くほど若い女性がいた。「コロナ禍でアルバイトがなくなり大学をやめた。19歳」という。
連休明けには、憲法改正に道を開く「国民投票法改正案」が強行採決されそうだ。
国民民主党を含めれば、衆参ともに改憲勢力が発議に必要な3分の2を占める。
資金力にまさる改憲勢力がテレビCMなどで世論誘導すれば、あっという間に改憲である。
改憲の目玉は、自民党草案の98・99条が定める緊急事態条項である。私権を制限し、内閣が法律を作り、衆議院の解散もなくなる。
緊急事態条項は、コロナ対策で失政が続くスガ内閣にとってノドから手が出るほどほしいはずだ。
大人食堂の相談員を務める作家の雨宮処凛さんは、スガ政権を「国民が死のうが路頭に迷おうがどうでもいい。まさに棄民」と喝破した。
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