【沖縄発】「思いやり住宅」空室で基地外の豪邸に住む米兵

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日本人住宅街に建ち並ぶ米兵用住宅(沖縄県北谷町で。写真=筆者撮影)

 多くの日本人は高い家賃で「ウサギ小屋」に住み続けてきた。昨今では日雇い派遣で得た賃金でどうにかネットカフェに寝泊りする人たちも珍しくない。
 世界最低水準の住宅事情に喘ぐ日本人を尻目に、基地外の豪邸に住むのが在日米軍の兵隊さんたちだ。基地外とは日本人が暮らす住宅街のことである。
 写真は在日米空軍・嘉手納基地のある北谷町に建ち並ぶ米兵用豪邸だ。米国のテレビドラマの世界に迷い込んだような錯覚さえ覚える。日本では豪邸に住むのは、金持ちやエリートなどの特権階級と相場が決まっている。
 ところが在日米軍の基準では、よほど下っ端でない限り入居可能だ。外務省、防衛省のまとめによると基地外の住宅に住む在日米軍兵士・家族・軍属は、日本本土で1万2,061人、沖縄で1万748人となっている。
 基地内の宿舎が満室のため基地の外に住宅を求めるのかと思っていたら、そうではなかった。基地内にも日本の高級マンションのような立派な住宅もあるのだが、空室も結構あるという。フェンスの外に出て堅気の暮らしもしてみたいのだろうか。
 日本政府の思いやり予算で建設(全戸ではない)したにもかかわらず、空室にされたのではたまったものではない。しかも基地外住宅に住む米兵がトラブルや事件を起こすケースが少なくない。
 ベテランのタクシー運転手(63歳)は「高い用心棒代だ。我々の税金から出ているのだから腹が立つ」と吐き捨てるように話す。日本は“不良用心棒”を高待遇でもてなし、挙句にひき逃げされ、レイプされるのだ。こんなお人良しの国は世界でも珍しい。
 鳩山政権が進める「事業仕分け」には、思いやり予算も対象となっている。ヤクザの「みかじめ料」にも等しいこの予算に大なたを振るうことができるのか。鳩山外交の試金石とも言える。

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