銀座・商店「大震災の時よりも人が減っている」

21日をもって閉店したラーメン店。=22日、銀座 撮影:田中龍作=

 2019年、飲食店の倒産件数は過去最多を記録した。倒産原因の8割は販売不振(東京商工リサーチ)。明らかに消費税増税の影響だ。

 消費税増税によるボディーブローが効いているところに、新型コロナがアッパーカットを食らわした。

 銀座を足が痛くて歩けなくなるまで歩いた。歩行者天国、小売店、飲食店・・・どこに行っても人はまばらだった。日本人は人の集まる所を避け、中国人の足は遠のいた。

 甘味処のベテラン店員は「大震災(2011年)の時より人が減っている」と呆然とする。

 店員は「消費税の伏線があって、これ(新型コロナ)ですからね」と説明してくれた。

 和菓子の甘味処であるため中国人客の割合は4分の1に過ぎない。日本人の消費が落ち込んでいる証左だ。

中国人観光客を当て込んだ有名免税店にも人影はない。=22日、銀座 撮影:田中龍作=

 銀座を“占拠”していた中国人は、新型コロナ流行後、めっきり減った。以前は中国語ばかりが耳に飛び込んできたものだが、今となっては聞くのも難しい。

 週刊誌恒例だった「美味いラーメン全国ベスト10」の最上位に必ず顔を出す店は、中国人観光客が門前市をなしていた。

 昨年12月ごろ店長に「消費税増税の影響はないか?」と尋ねた。店長は「ウチは金持ちの中国人客が相手ですから、影響はありませんね」と豪語していた。

 きょうラーメン店の前に行ってみた。土曜の昼時にもかかわらず、順番待ちの客は一人もいなかった。門前市をなしていたかつての面影は、ひとかけらもなかった。

 店長はタカをくくっていたのである。インバウンド頼みの脆さである。

 昔のように地産地消の経済構造であれば、こんな事にはならなかった。グローバル化や新自由主義が国民の底力を奪ったのである。

これまでは歩くのも大変だった銀座歩行者天国。土曜午後なのに殺風景でさえある。=22日、撮影:田中龍作=

   ~終わり~

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