戦前戦中のような翼賛体制が復活するのだろうか。そんな光景を見せつけられた―
きょう都内で、日本最大の労働組合「連合」の新年交歓会があった。日頃、選挙でお世話になっている野党の党首らは、当然馳せ参じた。自民党の厚生労働大臣、経団連の副会長、公明党の前・現代表、社民党の党首らも足を運んだ。
連合は共産党系の全労連と労働現場で熾烈な主導権争いをしているため、交歓会に共産党は呼ばない。ここまで書けば、野党共闘を妨げているのは誰なのか、お分かり頂けよう。
挨拶に立った神津里季生会長は、「ILOが100周年を迎える」だとか「労働サミットのホスト国になる」だのと高邁なお話に終始した。
昨年、過労死促進法といわれる高プロ(高度プロフェッショナル制度)を通してしまったことなどは おくび にも出さなかった。さすがは戦わない労働組合のリーダーである。安倍首相と親しい間柄との説もあるほどだから、驚きもしない。
続いて登壇した根本匠厚労相は、「賃金が上昇を続けている」だの「有効求人倍率が上がっている」だのとご高説を垂れた。賃金以上に物価や社会保障費が上がっており、実質賃金は下がっている。社会の高齢化で労働人口が減少すれば、有効求人倍率は上がるに決まっている。
決して景気がいいわけではない。どころか労働者の暮らしは苦しくなる一方だ。根本厚労相は現実離れもいいところだ。労働者ならば怒って当然なのにブーイングの一つも出ない。連合が「経団連労働部」と言われるゆえんだ。
労働問題に詳しい弁護士は「(連合は労働者が)厳しい時にちっとも助けてくれなかった。存在意義が問われる」と諦め顔で語った。
~終わり~
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