総務省記者クラブがまたもや「岩上安身事務所・IWJ」のネット中継スタッフに「動画撮影はするな」と告げてきた。25日朝の出来事である。
記者会見室の入り口で苦しそうに話す女性の声が聞こえてきた。女性はIWJのNさんだった。Nさんは記者クラブ幹事社から「活動実績はあるか?」などと詰問されているのだった。学生アルバイトのNさんに活動実績を求めるという発想自体が常識を欠いている。
要は何がしか規制する理由をつけたいのである。
「撮影した動画なら提示できますけど」とNさん。幹事社は「動画じゃねえ?」と首をかしげて見せた。
会見室の中にいた筆者は事に気付き、入り口まですっ飛んで行った。するとNさんに対する幹事社の口調が変わった。「フリーの動画中継は認められていないんで。今、話し合ってきますから・・・へへへ」。彼は作り笑いを浮かべてその場を去った。
幹事社がIWJの中継スタッフに言いがかりをつけてきたのは21日に続き2度目である。前回、岩上氏が幹事社に猛抗議し静かになったはずだった。だが25日は氏が法務省記者会見で不在だったため、またしても隙を突かれたのである。
21日の抗議で幹事社はかなりの所まで軟化した(ポーズも含めて)。交渉中の話を台無しにしてはならないと思い、25日は静観することにしていた。
だが、見過ごすわけにはいかなかった。「『公の情報財産である記者会見をフリーが中継してはいけない』などという理屈は世界のどこを探してもない。視聴者の皆さん、見守って下さい」。筆者はIWJのマイクに向かってこう訴えた。(※映像・音声記録が残っているので視聴して頂きたい)
総務省の記者会見室で起きていることをツイートすると、たちどころに反響(リツィートが寄せられた。「頑張れ」と。一番効果的だったのはTwitterで事態を知った人が総務省記者クラブに抗議の電話を入れてくれたことだ。(※対応に苦慮する幹事社の声も記録に残っている)
権力以上に権力的な記者クラブだが、市民の声には弱いことが分かった。市民の援護射撃もあり、IWJはネット中継を最後まで敢行できた。
霞ヶ関と癒着し政治を壟断してきたのが記者クラブだ。日本最大の既得権益集団である。沈みゆくこの国を救うには、記者クラブ解体は欠かせない。フリーランスの頑張りにも限度がある。記者会見の開放には市民の力が欠かせない。
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25日、記者会見室で起きたことの映像音声記録URLは下記(岩上安身事務所・IWJ提供)
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