北朝鮮のミサイルよりも威力は強烈だった。皇室の成婚を政治利用する安倍官邸のスピンである。
秋篠宮眞子さんのフィアンセが記者会見するというので、田中は現場に足を運んだ。といっても、この王子に興味がある訳ではない。
スピンに乗せられるマスコミのバカさ加減を確認するためだ。会見場に着くと案の定、記者やカメラマンでごった返していた。
警察は制服と私服の両方を出した。パトカーがものものしさを一層ひきたてた。
会見現場を仕切っていた宮内庁の職員が田中に話した言葉が意味深だった ―
「これは発表ではありません。きのうNHKが(夕方)7時のニュースで勝手に流しただけですから」。
宮内庁職員は不愉快そうに語った。官邸の差し金によるリークに腹を立てていることがうかがえた。
宮中とつながりの深い国会議員によると、宮内庁本流の職員は安倍首相の皇室利用を快く思っていない、という。
宮内庁の次長に官邸の都合のよい人物(内閣危機管理監)を送り込んだのはこのためだ。
宮内庁記者会の常駐社以外は、はるか後ろの方からの取材となった。だが田中が外国特派員協会の会員証を見せると、意外にも最前線まで行けた。
「記者クラブではない、あの人(田中)が入れるのはおかしい」と抗議するカメラマンもいたが、宮内庁職員は、田中の取材を黙認した。官邸のスピンを海外に伝えてくれればと、思ったのだろうか。
スピンは明らかに「共謀罪」「森友・加計学園」隠しである。
《 秋篠宮家と加計学園と安倍首相の浅からぬ関係 》
加計学園の理事に名前を連ねていた大原美術館理事長の大原謙一郎氏。加計学園グループは倉敷芸術科学大学を擁し、大原美術館とも提携している。大原氏の妹は美智子皇后の実弟夫人である。
ひょうたん好きで知られる秋篠宮文仁親王は2015年6月、岡山で開かれた全日本愛瓢会総会に名誉総裁として出席。会場は加計グループの岡山理科大学内だった。
この一週間前には秋篠宮佳子さんが安倍首相の地元、下関で安徳天皇陵に参拝したりもしている。安倍官邸と秋篠宮家のただならぬ近さを、平家のそれになぞらえるのは不謹慎だろう。
通常なら許されないスピンをやってのけた背景には、官邸と秋篠宮家のあうんの呼吸があった・・・と見るのはうがち過ぎだろうか。
~終わり~
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安倍官邸は「森友・加計疑獄」の幕引きを図ろうとしていますが、許すわけにはいきません。私たちの血税を食い物にした権力犯罪の追及を続けさせて下さい…https://tanakaryusaku.jp/donation
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