「戦争させない、子供を守る、誰の子供も殺させない」・・・母親たちの叫びが炎天下の渋谷に響いた。「ピースサイン」「NO WAR」などのプラカードが乱舞した。
日本を代表する繁華街はママたちによりジャックされたのである。
「安保関連法案に反対するママの会」がきょう、渋谷で集会とデモを開いた。「戦争法案の廃案」を求めるインターネット署名は、今日午前9時現在で1万7千人を超えた。
署名呼びかけ人の西郷南海子さん(3児の母・京都市在住)によれば「北海道から沖縄、そして海外に住むママたちが今、何かを言わなければならないと思って立ち上がった」。
SNS上には「きょうは子供が熱を出して行けないけど」「自分の街でデモをやるけども心は一つだよ」などといったメッセージが溢れている、という。
西郷さんが街宣車の上に立ちマイクを握った―
「命令されて殺されるために子供がいるわけじゃない。利益のために利用されるのはもう終わり・・・(中略)戦前の人たちがやれなかったことをやり廃案にしよう」。
新潟から駆けつけた母親は4歳の息子を持つ―
「安倍首相は徴兵制はないと言ってるが信用できるか。解釈で9条を変える人です。どこに向かうか恐ろしく感じます」。彼女は声を震わせるようにしてスピーチした。
会場の渋谷ハチ公前で参加者に聞いた。ある母親は「戦争に関することを聞きたくない、怖くなるからイヤダ、と8歳の息子が脅えている」と顔を曇らせた。
元経産官僚の古賀茂明さんの姿もあった。『I am not ABE』のフレーズを人口に膾炙させた功労者だ。
「お母さんの純粋な気持ちが(社会を)動かしている。普通の政治の波とは違う。潜在的な可能性を秘めている」。古賀さんはママたちに期待を寄せる。
労働組合、市民団体、学生、学者そして今度は母親が立ち上がったのである。女の怒りが安倍政権にとっては一番やっかいだ。
ママデモは渋谷の他にも京都、福岡などで行われた。きょうは戦争法案に反対する集会・デモが国会前はじめ全国各地各所で繰り広げられた。
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