「不敬か、表現の自由か」 サザン桑田氏

桑田氏を「反日」と決めつけるプラカードも登場した。=11日、渋谷区 写真:筆者=

桑田氏を「反日」と決めつけるプラカードも登場した。=11日、渋谷区 写真:筆者=

 昨年末、横浜アリーナで行われたサザンオールスターズのコンサートが波紋を広げている。

 「(リーダーの)桑田佳祐氏が紫綬褒章をオークションにかける真似をしたのは不敬にあたる」などとして、日章旗を掲げたグループが、きょう、抗議活動をした。

 グループはサザンオールスターズの所属事務所が入る渋谷区のビルを訪れた。敷地内には入れなかったため、路上からの抗議となった。

 現場には在特会界隈のヘイトデモに参加しているメンバーの姿もあった。

 トラメガのボリュームをあげ彼らは叫んだ―
 
 「在特会が不敬罪の復活に取り組んでいるが、不敬罪は日本人の中に脈々と息づいている・・・」

 「ピースとハイライトの歌詞の問題ではない。紫綬褒章を賜ったような人間が天皇陛下を揶揄する、そのような言動はおかしい。陛下に対する不敬、日の丸バッテン、魚釣島の表記は国体破壊である」

サザンが所属する事務所が入るビルの前に日章旗がひるがえった。=11日、渋谷区 写真:筆者=

サザンが所属する事務所が入るビルの前に日章旗がひるがえった。=11日、渋谷区 写真:筆者=

 天皇陛下は新年にあたって「満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」とのお言葉を述べられている。

 桑田氏も話題曲「ピースとハイライト」の中で「20世紀で懲りたはず」として、先の戦争の教訓に学ぶべきだと唄っている。

 むしろ桑田氏は天皇陛下の歴史認識に近いのではないだろうか。

 日章旗を持ったグループが強調したのは―
「桑田氏の行為は表現の自由ではなく、国家の基本的理念、歴史、伝統、文化を著しく傷つけた国体破壊である」という点だった。

 国体という概念自体が戦後憲法のもとでは存在しない。「不敬罪」も存在しない。彼らは「国体」「不敬」というアナクロな言葉に かこつけて 非難を浴びせた。

 非難を浴びたアーチストは次回から自由な表現がしにくくなるだろう。日本はこうして重苦しい社会になってゆく。
 

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