終戦と焼け跡闇市

アフガンの焼け跡闇市。日本で言えば喫茶店だろうか。戦乱が続くアフガニスタンにあって、わずかの間でも平和が訪れると子供の表情は明るくなる。=2007年、カブール 撮影:田中龍作=

79年前のきょう8月15日、昭和天皇が玉音放送でポツダム宣言の受諾を国民に告げた。ポツダム宣言の受諾を連合国に通知したのは、8月14日夜11時。

敗戦の廃墟から日本の復興が始まった。復興の象徴に焼け跡闇市がある。

東京の場合、省線(国鉄・現JR)沿線に焼け跡闇市ができ、人々は食料などを調達した。空襲にさらされることもなく、言論統制に怯えることもなくなった。

作家の五木寛之さんは「焼け跡闇市の上には青空が広がっていた」と話す。

日本に限らず戦争が終わったばかりの都市には焼け跡闇市が出現する。人々の顔は一様に明るい。

30年以上も前に取材で訪れたカンボジアを思い出す。恐怖政治を敷き国民の25%にあたる200万人を虐殺した独裁者ポルポトが、ベトナム軍によってタイ国境に追われ、国連の多国籍部隊が入ってくると、かつての都市住民は首都プノンペンに戻ってきた。

食堂のオヤジは田中が日本人だと分かると「アカシスペシャル」を勧めた。スペシャルといっても野菜炒めだった。

アカシとは国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)特別代表の明石康氏のことだ。

オヤジに限らずどこに行っても皆明るかった。

裸電球の灯りが街のそこかしこを照らしていた。

田中は戦場取材募金の写真を撮る際、焼け跡闇市があった新橋、新宿、上野などを選ぶ。

戦争があったことを忘れるな、という思いを込めて。

JRガード下には焼け跡闇市の匂いが残る。=都内 撮影:島崎ろでぃー=

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