統一地方選挙後半戦は23日、投票日となる。皇居や東京駅を抱える千代田区の区議会議員選挙は、景観破壊の再開発に「待った」をかけられるかが焦点となった。再開発に異議を唱える現有議員は6人(定数25人)。
皇居に近く閑静な住宅街の番町にある日テレ跡地の巨大開発は高さ制限の問題などがあり、現在、都市計画審議会でストップしている。
再開発に異議を唱える勢力の議席が減るようなことにでもなれば、デベロッパーにとって涎の出る番町は再開発し放題となる。
日テレ跡地の再開発は、現行60mの高さ制限を90mにまで緩和するプランだ。日テレが千代田区を巻き込んで発案した。
千代田区では、石川雅己前区長が高さ制限を緩和する見返りに高級マンションの優先販売を受けていたのではないかという疑惑で、百条委員会が設けられたこともある。2020年のことだ。
この際、並木を守ろうとする住民たちと小競り合いとなった。
千代田区は「反対者(住民)の暴力により警備員と区職員が転倒させられ負傷する事案が発生した」と区の公式ホームページで公表した。
住民側は「事実とは異なる」として撤回謝罪を求める文書を14日、千代田区の樋口高顕区長宛てに提出した。
千代田区のやり口は、警察が無理やりに逮捕したい相手に使う「転び公妨」の様相を呈してきた。
区議会議員選挙が終われば、強硬な手段に乗り出してくる恐れもあり、予断を許さない。
選挙戦最終日のきょう22日、イチョウ並木の伐採と日テレ跡地再開発に反対する女性候補2人が一緒にマイク納めをした。はまもりかおり候補(新顔)と小枝すみ子候補(現職)ともに無所属である。街宣会場は千代田区と日テレが再開発を目論む現場前だ。
2人とも「議会を変えよう」と声を振り絞って訴えた。デベロッパーとつながる利権屋が支配する議会が続く限りまっとうな区政にはならない、という意味だ。千代田区を乱開発から守ろうとする有権者たちが駆け付け拍手をおくった。
~終わり~