
戦車止めをシーソーに見立てた。コンクリートブロックはチェックポイントのバリアーだった。まさに戦場アートである。=5日、キーウ独立広場 撮影:田中龍作=
悪夢を描いたストリートアートを前に田中は立ち尽くした。とにかくカメラに収めなくては・・・渾身の思いを込めてシャッターを切りまくった。
衝撃的なストリートアートは少なくとも4日の時点ではなかった。5日に通りがかりの市民が見つけテレグラムに投稿した。作者不詳である。
人類に対して初めて原爆が投下された広島の記録には、建物や地面に人の影が刻印されている。
子どもがシーソーで遊んでいたところに核が落とされたらこうなる。そう思うと背筋が寒くなった。

「ヒロシマ・ナガサキのような悲劇が起きてはならない」。男性は強い口調で語った。=5日、キーウ独立広場 撮影:田中龍作=
ウクライナにはプーチンの核がちらつく。だがこういう形でヒロシマを連想させられるとは思わなかった。
ストリートアートが描かれていた場所は、ウクライナの象徴でもある独立広場だ。ロシアの傀儡だったヤヌコビッチ大統領を追い出したデモの拠点となった広場(マイダン)でもある。
通常戦で もはや ロシアに勝ち目はない。焦ったプーチン大統領が核を使うのではないかと国際社会は危機感を強める。
投稿者(アートの作者と思われる)は「ロシアが我々の子供にもたらす惨禍を見てくれ」とコメントを添えた。
~終わり~