1日午前0時、NHKは神奈川13区の野党統一候補・太ひでし氏に当確を打った。自民党の甘利幹事長は少なくとも小選挙区で落選したことになる。比例復活も楽観できない。
選挙の最高責任者が選挙に敗れたのである。今回の選挙を象徴的する事態だ。
昨年5月の快事を思い出す。安倍首相(当時)が官邸の番犬・黒川弘務検事長を検事総長にするため、検察庁法を力づくで改正(悪)しようとした。しかし世論の猛反対に遭って断念せざるを得ない事態に追い込まれた。猛反対のツールはツイッターデモだった。
甘利幹事長を落選させたのは、神奈川13区有権者の意志だった。元特捜検事の郷原信郎弁護士と共に街頭に立ち「甘利を当選させてはいけない」と呼びかけた。
千葉県内の道路工事に絡んで甘利氏は建設業者から多額の現金を受け取ったとされる(2016年に発覚)。絵に描いたような斡旋利得で写真も音声も公開された。にもかかわらず検察は甘利氏を不起訴とした。
その甘利氏を岸田首相は幹事長に抜擢した。
だが今回、13区の有権者は不正がまかり通る政治にノーを突き付けた。選挙は権力者にもの申す最高のツールであることをあらためて示したのである。
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