立憲民主党の枝野代表は、きょう9日、遊説先で記者会見し、れいわ新選組の山本太郎代表が昨日8日、野党統一候補として「東京8区から立候補する」と宣言したことについて、次のようにコメントした―
「率直に言って困惑をしている。吉田はるみさんは前回の選挙の前から6年くらい地域で根を張って頑張ってきておりますし、またそれを幅広い市民の皆さんが応援を積み重ねてきた。なんとか吉田に国会で仕事をさせたいと強く感じている」
「一方で山本さんがこのまま突っ込めば自民党を喜ばせるだけ、漁夫の利を得させるだけであると云うのは否定できない事実だと思っている」
コメント中にある「国会で仕事をさせたい」という部分がクセモノである。吉田晴美候補予定者を8区から降ろす交換条件として、党の枢要な地位にある人物が「来夏の参院に東京選挙区から出てもらうから」と囁いているというのだ。
吉田を比例に回すという手もある。
彼らの計略通りに吉田を降ろして山本を8区に立てれば、2016年にあった都知事選の悲劇が再現されることになる。
民進(立憲の前身)の最高幹部は、ニュースキャスターの鳥越俊太郎を野党統一候補として立てれば勝てると踏んだ。そして早いうちから準備を進めていた弁護士の宇都宮健児を、事実上引き摺り降ろしたのである。
結果はどうなったか。鳥越は彼らの予想に反して大惨敗。宇都宮は選挙に出られずじまいだった。鳥越の姿は山本に重なる。
杉並区には、有権者たちが野党(維新をのぞく)の候補予定者を一堂に集めてそれぞれの政策を聞き、納得の行く候補を押し上げていく、というシステムがある。地元有権者たちが大事に育ててきた候補予定者なのである。
それを踏みにじられた有権者の怒りは凄まじい。野党の地方議員、市民運動家、なかには元祖太郎ボラまでが「山本太郎ふざけるな」と言葉を極める。
地元、それも本来味方になるはずの陣営を敵に回せば、スーパーマンだって選挙に勝てない。山本は選挙区を変えるか、比例単独で臨む他ない。さもなくば政治生命を失う。
~終わり~