『新型コロナのワクチン接種を加速化させるため、政府は東京と大阪に大規模会場を5月に開設する方針を固めた。自衛隊の医官や看護官も活用しながら、1日1万人規模の接種を目指す』
NHKはじめ主要マスコミの報道に、田中は驚くと共に首を傾げた。「ホントかな?ちょっと待てよ」と。
案の上、きょう26日の、対政府ヒアリングで野党が追及した。
山井和則議員(立憲)が、「誰が(東京、大阪以外の居住者も)接種を受けられるのか?」「東京と大阪の供給量を地方より増やすのか?」と質問した。
原口一博議員(立憲)は「その前に(質問以前の問題として)これ詰まってないでしょ?」と指摘した。
内閣府の官僚は「はい」と首をタテに振りながら、正直に原口議員の指摘を認めたのだ。日頃は「アーでもない、コーでもない」と言って、議員の質問を煙に巻く官僚が、である。
きょうは、もうひとつ政府とマスコミのウソが白日の下にさらされた。
スガ首相が23日、「高齢者のワクチン接種を7月末に終える」と述べ、主要マスコミは口移しで報道した。
政府は「7月末」の根拠を各自治体の実施計画に任せているとする。
きょうは甲府市のワクチン行政担当者からもZoomでヒアリングした。
甲府市は厚労省に対してワクチン接種の終了時期を「不明」と答えたという。
ワクチン担当者たちは困惑と憤りを隠しきれなかった。次のよう話した―
「7月末までに接種を済ませるという話について、国からの連絡は何もない。報道で知ってビックリした」
「もし7月末までに高齢者の接種を終えるとなると、土日も含めて毎日、約1,150回の接種を実施しなければならない」「個別接種をさておいて集団接種だけ実施してもMAX約900回/日しかできない」。
オリンピック開催のため無理に無理を重ねても、7月末までに終了させるのは不可能なのだ。
スガ首相とその周辺は、神風が吹いて、ワクチン接種が早まると思っているのだろうか。
地方自治体はワクチン接種を実際に担い、住民の命と健康を預かる。官邸に忖度する必要もないので、実情をありのままに語る。
現場に話を聞けば、ウソは簡単にバレるのだ。
スガ首相の戯言を口移しで伝える新聞テレビの報道を鵜呑みにしてはならない。
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野党合同による対政府ヒアリングURL https://www.youtube.com/watch?v=789zosjH-s8
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