ワクチン接種率がダントツで先進国最下位・・・これは序の口だった。政府のコロナ対策は国家の体をなしていなかった。
厚労省が鳴り物入りで投入した「ワクチン接種円滑化システム(V-SYS)」が5日から作動していないことが、「野党合同チーム」の調べで分かった。
V-SYSはワクチン供給、接種、在庫などを一括管理し、滞りなくワクチンが行き渡るようにするシステムだ。
V-SYSが止まればワクチンの供給が円滑に行かなくなる。闇夜に鉄砲を撃つようなこととなるのである。
民主党政権で厚労相をつとめた長妻昭議員が「V-SYSに不具合があるという噂があるが」と政府に尋ねたところ「そんなこと全くありません。ガセネタです」との答えが返ってきた。
ところが、「野党合同チーム」は、全国の47都道府県にひとつひとつ電話をかけた。その結果「V-SYSは5日から止まっている」との回答を得た。
政府はウソをついて隠そうとしたのである。きょう8日の対政府ヒアリングで、野党議員が「V-SYSはいつ復旧するのか」と質問すると、厚労省は「分からない。持ち帰る」と無責任に答えた。
致命的なトラブルも判明した。かりにV-SYSが完全復旧したとしても、国民に接種される時点でワクチンがワクチンでなくなっている可能があるのだ。
ファイザー社のワクチンは零下70度で保存しなければならないのだが、厚労省は自治体に4万個の「保冷バッグ」を発送したのである。
「冷凍」ではない「保冷」だ。「フリーザー(冷凍庫)」と「冷蔵庫」の違いである。
保冷バッグ見て「おかしい」と思った自治体の職員が、ファイザー社に確認したところ、「冷蔵は推奨しない。できるだけ避けてほしい。振動、衝撃をさけて『冷凍』で運んでほしい」との答えだった。
自治体とは東京都世田谷区。保坂展人区長がZOOMで証言した。
ワクチンが届かない。届いてもワクチンが有効ではない。この国のコロナ対策は絶望的である。
~終わり~
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