多国籍企業と結託した政治が国民の富を掠め盗っていく。水道、皆保険などかつては当たり前のようにあったライフラインが危うくなっている。
TPP、FTA、RCEPに反対するデモが、きょう3日、都内であった(主催:TPP離脱を求める市民の会)
主催者ののりさんがデモを呼びかけた理由はシンプルで分かりやすい。
「ある時、政治がおかしいことに気付いた。たどっていくと日本のための政治じゃない。日本の政権が多国籍企業の傀儡になっている」。
のりさんは国会議員の事務所に「RCEPに反対するよう求める」FAXを送り付けている。
「RCEP(東アジア包括的経済連携)協定」の承認案は2日、国会で審議入りした。与党は「GDPを押し上げる」などと耳触りのいいことを言う。
デモ参加者に話を聞いた。派遣社員の女性(40代)は「コロナにかかってもすぐに診てもらえない。ホントに皆保険の国なのか? と思う。行政は公共財を金儲けの道具にしている。水道、(渋谷区の)宮下公園が典型」。
左手に日の丸の小旗、右手にプラカードを持つ男性がいた。プラカードには「売国政権撲滅」「NO TPP! NO FTA! NO RCEP!」と太字で書かれている。
男性は「(グローバル化で)国土も文化も多国籍企業に切り売りされる。国を守るのに右も左もない。上級国民と一般国民の戦いだ」と力を込めて語った。
「地方に行けばシャッター通り。地域が死ねば伝統も祭りも死ぬ。こんなもの通しちゃいけないんだ」と言ってプラカードを叩いた。
右寄りの参加者に主催者ののりさんは「私は左翼だが、広がりがあるのは歓迎する」と微笑んだ。
原発事故(2011年)から間もない頃、民族派が日章旗を掲げて「原発反対デモ」を繰り広げていた。
グローバル化も原発も国民を苦しめる。暮らしを守り、子供たちのために国を残す。右も左もない。
~終わり~
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