JR東京総合病院で新型コロナウイルスのクラスターが発生した。同病院のHPによると11日から18日までの間に患者12名、職員(看護師など)18名の感染が確認されている。
病院内でのクラスター発生は、医療体制の逼迫をもたらすが、JR東京総合病院の場合、さらに重大な事態を招く恐れがある。病院利用者の10%が現役の鉄道マンということだ。
乗務員(運転士、車掌)が1人でも新型コロナウイルスに感染したら、彼らの所属する運輸区の全員が自宅待機となる。JRの運行に支障をきたす事態となるのだ。
山手線で運転士が足りなくなったからといって、総武線の運転士を充てることはできない。路線ごとに特質やクセがあるからだ。
国土交通省令は、運転士は事前に5回、路線を走ることを義務付けている。「線路見習い」という制度である。
運輸区の全員が自宅待機となっている時に「線路見習い」などやっている余裕はない。
現役の鉄道マンが毎日50~100人も利用する病院でクラスターが発生し、国民の足であるJRがマヒする恐れさえある。
間引き運転であれば、電車が混んで「密」となる。危険である。
こんな時にスガ官邸は緊急事態宣言を解除して、どうしようというのか。
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