生活困窮者に食事を提供する「年越し大人食堂」が、きょう、都内の教会で開かれた。(主催:反貧困ネットワークなど)
ボランティアが調理した200食は、開店するとあっと言う間にはけた。配膳スタッフは「まるで流れ作業のようだった」と言って、驚きを隠さなかった。(60食追加で最終的には260食を用意)
前年と比べて利用者は飛躍的に増えた。前は人数を数えることができたが、今回は数えきれない。食べて行けない人がそれだけ増えているということだ。
きょうのメニューは「肉そぼろご飯」にポタージュスープ、鶏肉ほうれん草スープなど。料理研究家の枝元なほみ氏の監修でボランティアたちが腕をふるった。
食材は北海道の農家からの寄付だ。「生産者の強みで食べ物はあるから使って下さい」と言って送ってくれた。足りない分はクラウドファンディングで調達した。
農家はホテルやレストランに納入して経営が成り立っているということだが、肝心のホテルやレストランがコロナ禍で立ちゆかなくなっている。
農家も共倒れになる恐れがある。大人食堂への食材提供は不可能になる。
昨日も拙稿で述べたが、共助には限界があるのだ。善意の人々の体力が尽きた時は、助かる人も助からなくなる。
ボランティアの一人は「今こそ政府の出番。緊急の時、どう動くかが問われる」と公助に期待を寄せるが…
大人食堂料理長の枝元なほみ氏が「ぜひ書いてほしいことがある」と言って田中にメッセージを託した―
「アベノマスク返すから税金を返して下さい。その金を困った人に配ってください」。
年越し大人食堂は3日もオープンする。東京・四谷の聖イグナチオ教会で正午から。
~終わり~