スガ首相の唱える自助ではどうにもならない。生活困窮者がさらに苦しくなる師走に、あらためて、それを突き付けられた。
労働組合や農業団体などが、きょう、日比谷公園で生活困窮者に無料で食料を配布した。
法律家や労働問題の専門家が「住まい」や「職」の問題などについてアドバイスする相談会も同時に行われた。(主催:なんでも相談会「12・19日比谷公園会場」実行委員会)
用意された食料は—
非常用ライス、缶詰、果物、産直の野菜(セロリ、にんじん、さといも、小松菜…)だ。
おそらく80歳を超えているだろう。背中も曲がっていた…高齢の女性はニッコリ微笑みながら「一杯(食料を)入れたよ」と言ってリュックを見せた。
法律や労働問題の相談コーナーにも次々と人々が訪れた。
障がい1級の男性はアパートの更新料について相談した。男性(58歳)は新宿区在住で生活保護利用者だ。
区役所の福祉課ではアパートの更新料を満額出してくれなかった。「あなたは福祉年金もらってるでしょう」と言われて。足りない分は泣く泣く自分で出した。
アドバイザーは「満額出るはず、ケースワーカーに相談して下さい。もし出なかったら連絡を」と言って自分の名刺を渡した。
男性は障がい者になる前、ガードマンをしていた。
渋谷から足を運んだホームレス男性も、配布された食料を手にしていた。
「きょうのことは代々木公園の炊き出しで知った。役所は何もくれない」と渋い顔で話した。
年末、さらに押し詰まってくると、役所は閉まり、生活保護の申請すらできなくなる。「行き倒れ」が続出しても何ら不思議はない。昨今流行りのリモートなんぞ利かないのだ。
民間の善意が生活困窮者を救う ― 毎年この時期になると痛切に思う。
~終わり~
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