生コンクリートが付いたタイヤを洗おうとしたら威力業務妨害罪。日雇い労働者を常雇いにするよう要求したら強要罪・・・警察は難クセにも等しい手法を用い、わずか2年で述べ89人の労働組合員を逮捕した。
日本の労働運動史上、例を見ない弾圧となった関西生コン事件。
「労働組合を弾圧するな」。市民たちがきょう、警察庁を訪れ、警察庁長官宛てに請願書を提出しようとした。
警察庁周辺には夥しい数の公安警察が配置され、ぴったりと市民に張り付いた。
市民たちはALSOKに阻まれ受付にたどり着くこともできなかった。
ALSOKは警察庁の職員でもないのに請願の市民に「アポを取っていますか?」などと詰問し、暴力的に行く手を阻んだ。
警察庁長官に請願しようとしたのは、事件化に向けた構図を描き、捜査を指揮しているのが、警察庁だからだ。大阪府警、京都府警、滋賀県警にまたがる大量逮捕は、警察庁の指揮なくしては不可能だ。
関生は、生コン業界の労働者と中小企業を組織化することにより価格決定の主導権を握った。これがゼネコンやセメントメーカーには不都合だった。
過去には日経連の大槻文平会長が「関西生コン型の労働運動は箱根の山を越えさせない」と強く反発した。
関生の運動が、麻生セメントのみならず、大手資本とそれがコントロールする自民党政権にとって不都合なことは確かだ。
2016年、沖縄高江と辺野古で沖縄防衛局が米軍基地建設のため、ヤンバルの原生林を切り開き辺野古の海を埋め立てようとしていた。
基地建設に反対していた人々が次々と逮捕されていった。沖縄平和運動センターの山城博治議長は、建設現場の入り口にブロックを置いたり、鉄条網を切ったりしたという微罪で逮捕され、異例の長期拘留となった。
当時、田中は「沖縄で起きていることは、いずれ本土で起きる」と警告を発していた。
2年後、それが現実のものとなった。
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