立憲執行部からの圧力 山尾議員「ないとは言えない」

決然とした表情で本会議場に入って行く山尾議員。=12日、衆院 撮影:田中龍作=

 12日、新型インフルエンザ特措法の採決で反対を表明した山尾志桜里議員。衆院本会議場から出てきた山尾議員の頬はわずかに紅潮していた。

 「執行部からのプレッシャーはなかったか?」と田中が尋ねると、山尾議員は「ないとは言えないですね」と答えた。

 執行部から圧力があったことを山尾議員は婉曲的に認めたのである。

「どんなプレッシャーがありましたか?」と再び問うと、山尾議員は「それは言えません」。

 山尾議員は国対への不信感を露わにした。「最初に(自民と立憲の)国対委員長間で締め切りが切られていて、内容もそこで固まっていたんじゃないかと思われる」。

 6日に自民の国対から出てきたペーパーを、山尾氏は自らのツイッターに掲載して暴露している。

 ペーパーの内容は実にシンプルだ―

▽(安倍首相側が要求していた)「施行日を2月1日に遡るのではなくて、公布日の翌日とする」。

▽緊急事態宣言を行った場合はすみやかに国会報告を行い、ご意見をうかがう。

 果たせるかな。採決の結果、特措法案は山尾氏の指摘通りとなってしまった。

まるで通夜のような立国(旧民主党)の代議士会。立憲主義の葬式だった。=12日、衆院第4控室 撮影:田中龍作=

 本会議に先立ち代議士会が持たれた。枝野代表、安住国対委員長、野田前首相らが鎮座ましますなか、山尾議員は同僚議員たちに語りかけた―

 「承認があっても少数野党ではひっくり返せないという執行部の発言も聞きました・・・どうせ覆らないというのだったら野党の意味はない」

 「権力を国民が統制する。国民の代わりに国会議員が統制する・・・立憲主義とは民主主義とは何なのか? 国会議員に託されているものは何なのか?」

 安倍首相に強権を与える特措法改正案の成立に手を貸した立国の野党議員たちは、下を向いたままだった。(写真)

 2020年3月12日は、日本がファシズムへの道を転がり落ちる日となった。

       ~終わり~

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