朴クネ退陣を求める12日の大規模デモに大統領府(青瓦台)を模した特大の棺が登場した。全長5m、高さ2m以上。偉丈夫30人がかりで担いだ。
棺は野辺送りの葬送歌に乗って大統領府を目指した。棺桶の横腹には「農業、農村、農民を抹殺する朴クネは退陣しろ」と黒の太字で書かれている。
ソウル近郊の忠清道で農業を営む男性(50代)は「この(棺)中には朴クネの魂が入っている。コメの値段が暴落した。朴クネは退陣しろ」と怒りをぶちまけた。
「コメの値段が安い。80キロで9万から10万ウォン(9千円~1万円)にしかならない」と続けた。
TPPのひな型とも言える米韓FTAは2012年に発効した。
月刊現代農業(2016年4月号)が韓国政府の予測として伝えたところによると、米韓FTAによる韓国農業の減少額は最大で8兆ウォン(8千億円)。農業の総生産額の20%以上に当たる。生産者(農家)の年間収入は平均で12%減少する。
東京の下町にあたるソウル市北部のスーパーで店員と消費者に話を聞いた。
店員は「FTA後、コメは相当に安くなった気がする。20㎏入りで1万ウォン(千円)安くなった。(買い取り価格はさらに安い)」。
40代の主婦は「韓国人もコメを食べなくなっている。そこに輸入米が入って来た。おコメがタブついているから安くなるんじゃないの? 農家には支援が必要」と指摘する。
3人の子供を持つ母親は「アメリカ産の牛肉は昔からあるにはあった。韓国牛の味はアメリカ産とそんなに変わらない。子ども達に毎日肉を食べさせているので米国産牛を買っている。部位によっては5分の1くらいの値段」と話す。
筆者は陳列ケースを見て確認したが、アメリカ産牛肉の値段は韓国産の3分の1から5分の1くらいだった。
韓国牛の肉質は和牛に比べて赤身が多く、固めだ。競争力がなく生産規模が小さいところに、安い外国産が多く流入すると ひとたまり もない。
トランプ大統領の登場によりTPPが発効しなくても「日米FTA」が結ばれる恐れがある。明日は我が身・・・警戒が必要だ。
~終わり~
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皆様。「朴大統領は退陣せよ」と叫ぶあらゆる階層、年代の韓国市民が大通りを埋め尽くしました。
「既得権益者のための政治」「労働法制の緩和がもたらす貧困の拡大」・・・韓国と日本はあまりにも似ていますが、日本の民衆は立ち上がりません。取材には多大な交通費が掛かっています。ご支援何とぞ宜しくお願いします・・・https://tanakaryusaku.jp/donation