沖縄県の翁長知事がきょう、米軍基地建設に伴う「辺野古の埋め立て承認」を取り消した。
これを受け環境団体が「沖縄県知事の承認取り消しに従い、工事を中止するよう求める」署名を内閣府に提出した(主催:FoE Japanなど)。
署名は6,423筆。宛先は安倍晋三・内閣総理大臣と中谷元・防衛大臣だ。
首相官邸前には翁長知事の決断を支持する人々が夕方から集まり始めた。
『辺野古基地NO』のプラカードを持つ女性(主婦・都内=50代)は、「よかった。翁長知事はよくやってくれた」と承認取り消しを歓迎し、次のように話した。
「政府はまるで国民を無視している。態度とやり方が許せない。TPPも安保も辺野古も根っこは一緒。安倍政権を早く終わらせましょう」。
「自公政権を倒すには野党が一つにならないといけませんね?」と筆者が水を向けた。
彼女は「民主党は共産党が折れてくれたのにその心が分かっていない」と憤った。
ポスターになった翁長知事の顔写真を持つ女性(主婦・大宮市)がいた。
「命がけで県民を守ろうとしているのが翁長さん。国民の命をアメリカに売り渡すのが安倍さん」。彼女は的確に表現した。
彼女も野党が一つになり切れないことに業を煮やす。
「情けないですね。ここまで来て野党が分裂しているヒマはない」と。
会社員の男性(神奈川県=48歳)は承認取り消しを歓迎する一方で民主党にイラ立つ ―
「みんなで反対すれば変わると思うけど、うまく行かない。民主党は政策のスタンスがない。安倍を倒す一点のみで闘えるとは思えない。野党協力は無理だろう」。
民主党の両院議員総会がきょう午後、党本部で開かれた。
直嶋正行議長が人事案件を提案し、岡田代表が来夏の参院選挙に向けた野党共闘の途中経過を報告した。
岡田代表は「共産党と政権を共にするにはハードルが高い」と相変わらず慎重だった。悪く言えば煮え切らない。
直嶋議長が「どなたか御発言ありませんか?」と促したが、誰一人として手を挙げなかった。総会は瞬く間に終わった。
民主党は党勢の長期低落が続く。大半の議員は次の選挙をよっぽど上手に闘わなければ、落選の憂き目に遭う。
にもかかわらず選挙協力に関する意見も質問も全く出なかった。緊張感のかけらもない総会だった。
出席したある参院議員は「拍子抜けした」と感想を漏らした。かくいう議員も来夏に改選を控えるが、総会では一切発言しなかった。
「国民が反アベで盛り上がろうとしても民主党が水をさしている」。古参の国会議員秘書は喝破した。
~終わり~