平野達男復興相は、あやうく鉢呂前経産相の二の舞を演じるところだった。18日、福島県二本松市であった参院民主党の研修会で「私の高校の同級生みたいに逃げなかったバカな奴がいる」と述べたことが、記者クラブの言葉狩りにあったのだ。
各紙、被災者の気持ちを踏みにじる、といった趣旨で批判的に書き立てた。 反民主党の色彩が強い産経新聞は一面で大きく報じた。テレビはさらに過剰だった。「平野復興相の進退問題に発展する可能性もある」とハシャイだ局もあった。
「大臣として許されざる言葉だ」などとする大島理森・自民党幹事長の言葉を借りるところは、演出過剰でさえある。野党はちょっとでもスキがあれば突いてくる。タメにする批判なのだ。それを利用して「バカ発言」が客観的に見て問題であるかのような書き方をする。姑息と言わざるを得ない。
マスコミの揚げ足取りに怒りを露わにしたのは、国民新党の亀井静香代表だ。
亀井氏は「(平野復興相は)大事な人が死んだので万感の思いを込めて言ったまで」。
新党日本の田中康夫代表が呼応した。「芸能人の葬儀で『バカヤロー、どうして死んでしまったんだ』などと言うけど、テレビ局の記者さん達、あれは認めるの?」。
怒りの収まらない亀井氏は「そういう報道をするマスコミはバカのひと言につきる。低俗な連中の集まりだ」と声を荒げた。定例会見に出席していたクラブ詰の記者に「あなた方の心ない報道が日本人の心をドンドン裂いてゆく。反省せなダメだな」と釘を刺すことも忘れなかった。(亀井、田中両氏の発言は19日の定例記者会見)
国の命運さえ左右する原発事故やTPPなどの問題では、何ら真相に切り込めず、ただ言葉狩りや検察リークの垂れ流しにいそしむ記者クラブ。そんな彼らが発信するマスゴミ報道に右顧左眄しているのが、民主党政権だ。この国の将来は極めて危うい。