収監直前トーク 鈴木宗男VS佐藤優 ~前編~

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鈴木宗男・前代議士=手前=と佐藤優氏。外務省と検察を知り尽くす2人がフルスロットルで語った。(6日、衆院第1議員会館。写真:筆者撮影)

 「検察で何が起こっているのか」「日本の外交は大丈夫か」。今、日本を揺るがす最もビビッドなテーマをあの2人が生激論した。北海道の港湾開発や林野行政に絡んだ贈収賄事件で有罪が確定し来月には収監される鈴木宗男・前議員と一連の事件で執行猶予付き有罪となった元外務省のラスプーチンこと佐藤優氏(作家)である。
 ラスプーチンが「鈴木先生が(塀の)こちらにいるうちに話しておかなくてはならない」というだけあり、トークは暴露話満載で、タブーに切り込み、示唆に富んだ。
  官房機密費 と沖縄
 鈴木宗男:
 沖縄県知事選挙(1998年)で機密費を3億円持ち出した。野中さん(広務・当時官房長官)がテレビ番組で否定したが、私は野中さんに電話で「小渕総理も入れ官邸の小食堂で機密費の話をした時、小渕先生が『足りなければ外務省から来ているのを使えばいい』と言った」ことを話した。
 すると野中さんは「そう言えば恵ちゃん(小渕総理)はそんなこと言ってたなあ」と言った。
 沖縄の選挙はカネがかかるんです。
 佐藤優:
 あの時(98年・沖縄県知事選)、機密費を投入していなければ選挙の結果は変わったかもしれない。太田さん(昌秀・当時知事)になっていたら移設先は県外でしか交渉できない。そうなると普天間問題は違う着地になったかもしれない。
 民主党の中には機密費にフタをしようという動きがある。機密費は民主主義の根幹に関わる問題なので明らかにしておかなくてはならない。
 「尖閣事件」で東京の人は「だから(米軍による)抑止力が必要」という。一方沖縄の人は「抑止力になっていないじゃないか」と言う。東京と沖縄では見方が逆転する。
  尖閣諸島の領有権問題
 佐藤優:
 中国が(今回の事件で)なぜエキセントリックな対応をしたのか。鄧小平-大平会談(1978年)で「尖閣諸島の領有権問題は次世代で解決しよう」となった。以後暗黙の了解で法的管轄に服さない(刑事訴追しない)ということになっていた。(一例として)2002年に中国の活動家が尖閣に上陸したが、小泉内閣は強制送還した。(にもかかわらず今回は中国漁船の船長を起訴して日本の裁判にかけようとした)。
 日本政府の見解として領土問題は「竹島」と「北方四島」の二つ。蓮舫さん(行革担当相)が「尖閣諸島は領土問題」と発言してすぐ取り消したが、閣僚として辞任に値する。(「民主党政権には領土問題の無知さが覗く」と佐藤氏は言っているようだった)。
 物的証拠もビデオもあるのになぜ供述調書を取れないのか(笑)。
 鈴木宗男:
 こういう時にこそ前田(恒彦・検事)を使え(笑)。
 公務執行妨害で船長を捕まえたにもかかわらず、物証の船を返した。なぜ逮捕まで踏み込んだのか。
 船長を(公務執行妨害で)告発する。不起訴にしたら検察審査会にかける。(獄中から後任の)浅野貴博代議士に頼む。
 佐藤優:
 民主党も自民党も尖閣問題を政争の具にしてほしくない。
                       ~つづく~
 ◇
記事はトークの抜粋です。内容を分かりやすくするために話しを多少前後させています。ご了承下さい。

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