5月3日、日比谷公園では改憲と護憲の両勢力が交錯する。右翼と左翼がそれそれの主張をフルスロットルで展開するのである。政権交代後初めての憲法記念日となった今年は、趣がいささか違った。
警察は昨年までは日比谷公園にかかる交差点で右翼の車両を閉め出していた。ボリュームを一杯にあげた街宣車から弾き出される右翼のスローガンが耳をつんざくようだった。
ところが今年は、はるか手前の交差点から右翼の車両をシャットアウトしているのだ。1月下旬の民主党大会の際から、この方式が取られているようだ。右翼の主張とは大きく隔たる政策を唱える政党が政権を握ったのだから、警察としては当然の措置だろう。
「体制粉さ~い!」「亡国憲法粉さ~い」。右翼は「粉砕」という言葉をやたらと叫ぶようになった。自主憲法の制定を党是としていた自民党が野に下ったため、右翼は体制を打倒する立場に回ったのである。二言目には「粉砕」と口にしていた、かつての新左翼と同じだ。
デフレに歯止めがかからず失業率は悪化するばかり。人々の暮らしは上向く気配さえ見えない。人々のやり場のないフラストレーションが「現政権の否定」に向くことはあっても、「憲法粉砕!」というイデオロギッシュな方向に流れることはなさそうだ。「米びつが底をつきかけているのに家訓を垂れる」余裕など大方の国民にはないのである。
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