ハイチ大地震の復興支援PKO(国連の平和維持活動)に参加する自衛隊の先遣隊が6日、陸上自衛隊宇都宮駐屯地を出発した。先遣隊が下ごしらえした後、現地に向かう本隊は施設部隊だ。工兵部隊とも言いブルドーザーやショベルカーなど重機を操る。道路、ビルの復旧や架橋などはお手のものだ。
日本が戦後初めて自衛隊を海外に派遣したのが92年のカンボジアPKOだった。自衛隊の海外派遣への反対世論は凄まじかった。平和団体などは「海外派兵を許すな」と訴えて広大な自衛隊駐屯地を人間の鎖で囲むなどした。
騒然とする中、陸上自衛隊第4施設団の工兵大隊400人はカンボジアに赴いた。内戦で破壊された国道2号線の修復が主な任務だった。国道2号線は日本で言えば東海道にあたるカンボジアの最重要幹線道路だ。
ラフロードで車は激しくバウンドする。天井で頭を打たないように道中は腕で天井を支えていなければならなかった。目的地に着いた時腕は筋肉痛に見舞われ、しばらく言うことを聞かなかった。
東南アジア特有の蒸し暑くて太陽がギラギラと照りつける過酷な気候の下、隊員たちは作業を続け国道2号線を修復した。自衛隊員が汗を流して修復した後、舗装工事をしたのは日本のゼネコン大手だった。S社とT社だったように覚えている。
紛争処理に積極的に介入した国が復興利権を手にするのは国際社会の常識である。異論を唱えるつもりは毛頭ない。
ハイチ復興のために自衛隊が粉骨砕身する。自民党政権時は抜かりなく日本企業が復興の甘い汁を吸えるように舞台を整えていた。日の浅い民主党政権は、そこまで頭が回っていないようである。しばらく経って米ゼネコンのベクテルが一儲けしたなどという話は聞きたくないものだ。
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