民主党は25日投開票の長野市長、川崎市長、宮城県知事の3首長選挙で、党推薦候補が現職に敗れた。神奈川、静岡の参院補選で勝利し、総選挙後も快進撃が続く国政選挙とは対照的だ。
全国的に見て地方の首長選挙では現職が強い。各党と労働組合が相乗りするからだ(表立って推薦・支持を表明していなくても事実上支援している)。だが有権者にしてみれば分かりづらい。それが投票率を著しく低くしているとの見方が強い。
民主党の選挙を指揮する小沢幹事長は相乗りを嫌い、極力独自候補を立てるようにしている。
小沢氏は26日の記者会見で首長選挙の敗北について「足腰を鍛え、党の基盤、政治家の支持基盤を充実する努力をしてもらいたい」と無念さをにじませた。
小沢幹事長は次のように語り今後も相乗りを避ける方針を示した――。「民主主義は煎じ詰めると政党政治だ。地方であろうが、中央であろうが、政党としての考え方を地方の皆様にも理解して頂く。欧米では末端に至るまで政党間で争っている。日本はまだそこまで割り切れていない状態。少しづつ理解して頂いて結果として党勢の拡大にもなる。イコール国民の皆さんのわが党に対する理解も深まる」。
小沢氏に近い民主党関係者は、同氏が首長選挙で独自候補の擁立に強い意欲を示す真の狙いを次のように解説する―ー。
地方議会はまだまだ自・公が強い。民主党議員が議長を務めている都道府県議会は東京、岩手など3都県に過ぎない。ゴマンといる議員の過半数を民主党が押さえるのは困難だ。そこでまず首長を取り、これまで続いてきた議会と首長のもたれ合い(共助)をなくす。こうして(最終的には)自民党を壊滅させる。
小沢氏の理想は「いつでも政権交代可能な2大政党制」だ。参院補選の敗北により業界の自民党離れは加速するだろう。自民党崩壊が現実味を帯びるなか、どのような2大政党に小沢氏は持っていくのだろうか。シナリオを知りたいものだ。
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