もう一度政権交代すれば、記者会見は開放できる

国民民主党・玉木代表の記者会見は毎週開かれるが、フリーも記者クラブも分け隔てない。=27日、衆院第4控室 撮影:田中龍作=

国民民主党・玉木代表の記者会見は毎週開かれるが、フリーも記者クラブも分け隔てない。=27日、衆院第4控室 撮影:田中龍作=

 「記者会見の主催権を記者クラブから取れ」。鎌倉市長として日本で初めて記者クラブを廃止した竹内謙(故人)が、授けてくれた極意だ。

 記者クラブは役所の施設内に家賃も光熱費も払わずに居候しているのだから、当局がその気になれば「記者会見の主催権」を奪える。記者会見のコンテンツも当局のものなのだから、なおさら可能だ。竹内・鎌倉市長(1993~2001年)はそれを実行した。

 民主党連立政権下で金融・郵政担当大臣だった亀井静香は、喧嘩上手だけあって、記者クラブとの闘い方も巧みだった。

 記者クラブは当然のようにフリーランスの記者会見出席を拒んだ。亀井大臣は記者会見を「記者クラブ用」と「非記者クラブ用」とで2回に分けて行った。

 亀井の見事さは「非記者クラブ」にだけ「特ダネ」をサービスするのである。「これはアンタたちだけに話すんだけどね」と前置きして。

 記者会見は週に2回。記者クラブメディアは週に2回もネットなどの「非記者クラブメディア」に抜かれるのである。たまったものではない。

 記者クラブはネをあげた。終いには非記者クラブとの「共同開催」を申し入れてくるに至ったのである。

 金融庁事務方の最高幹部は「記者クラブの方がギブアップしたんですよ」と田中に明かした。

国民の税金で賄われている公共施設でありながら、記者クラブという営利目的の任意団体が独占する。家賃、光熱費はビタ一文払わない。=総務省記者クラブ 撮影:田中龍作=

国民の税金で賄われている公共施設でありながら、記者クラブという営利目的の任意団体が独占する。家賃、光熱費はビタ一文払わない。=総務省記者クラブ 撮影:田中龍作=

 平成の日本をガタガタにした「原発事故」と「アベノミクス偽装」は、いずれも記者クラブが密接に絡む。記者クラブは冤罪の温床でもある。

 政治家はじめ当局側が本気になれば、記者会見は開放できる。

 ただし記者クラブと癒着した自公政権にそれを期待するのは無理だ。

 旧民主党系政党の記者会見は、現在もフリーランスの出席可である。

 もう一度政権交代すれば、記者会見は開放できる。日本の再生のためにも記者会見の開放は必須である。(敬称略)

  ~終わり~

 ◇
『田中龍作ジャーナル』は読者のご支援により維持されています…

田中龍作の取材活動支援基金

■郵便局から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
記号/10180 番号/62056751

■郵便振替口座

口座記号番号/00170‐0‐306911

■銀行から振込みの場合

口座:ゆうちょ銀行
店名/ゼロイチハチ・0一八(「ゆうちょ銀行」→「支店名」を読み出して『セ』を打って下さい)
店番/018 預金種目/普通預金 口座番号/6205675 口座名/『田中龍作の取材活動支援基金』

■ご足労をおかけしない為に

ゆうちょ銀行間で口座引き落としができます。一度窓口でお手続きして頂ければ、ATMに並んで頂く手間が省けます。印鑑と通帳をお持ち下さい。
記号/10180 番号/62056751 口座名/タナカリュウサクノシュザイカツドウシエンキキン

連絡先
tanakaryusaku@gmail.com
twitter.com/tanakaryusaku

ジャーナリズム