巧みなネット戦術で陣営を勝利に導くことで定評のある男性に先週初め、電話がかかって来た。
「イケマキの選挙を手伝うな」という趣旨だった。電話の主は富裕層だ。
前週の週末(16・17日)に行われたマスコミの世論調査では、「池田リード」とする社もあった。
男性は「和田よしあき(自民党公認)陣営の焦りを直観した」と話す。
16日、街宣車上で「負けるわけにはいかないんです」とだけ連呼する和田は、気が動転しているように見えた。
「池田リード」の報が和田を追い詰めていたことは事実だ。
池田まき自身が街宣で「史上初の選挙です」と言っていたように画期的な出来事だった。貧困層が国政選挙に立候補し、富裕層を代表する自民党候補と互角に戦ったのだ。
大労働組合に支えられた高学歴の野党政治家が「格差」や「子育て」を語っても響くものはなかった。だが池田の言葉は聞く者の心を揺さぶった。
「生きているのが奇跡だった」と述懐しているように凄絶な家庭環境のなかで幼少期を過ごした。結婚するもわずか2年で離婚。サラ金に追われた。
ソーシャルワーカーとして貧困の現場を知りつくした彼女が語る福祉は説得力があった。
高齢者もまだ選挙権がない若者も、池田の登場を歓迎した。「これほど市民感覚と一致した候補者はいない」「親身になって話を聞いてくれる」と。
そんな彼女が人々の生き辛さを代弁し、安倍政権に挑んだ。池田の善戦は安倍独裁に対するプレッシャーになったことは確かだ。
全国のあちこちにイケマキが生まれれば、政治は「99%」のものになる。(敬称略)
~終わり~
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