八王子市長選挙がきょう告示された。現職と新人の一騎打ちとなった。
現職の候補を自民、公明、民主、連合が推薦する。八王子市は安倍首相の最側近である萩生田光一官房副長官のお膝元だ。現職の石森孝志市長は官房副長官の腹心と云われる。
これほど分かりやすい大政翼賛選挙も珍しい。
午前10時からJR八王子駅北口で行われた石森候補の出陣式には、萩生田官房副長官、丸川珠代環境相、片山さつき議員らが駆けつけた。
局アナ出身の丸川環境相は、よく通る声で萩生田氏を持ち上げた。
「安倍首相の一番そばにいてアベノミクスを進めているのは萩生田先生なんです。太いパイプを持っています。このことは絶対忘れないで下さい」と。
こうなると市長選挙の場を借りた「安倍マンセー大会」だ。
萩生田氏は党内でもきっての改憲論者で文化芸術懇話会のメンバーでもある。
昨年6月、懇話会で「マスコミを懲らしめるには広告を引きあげさせろ」「沖縄の2紙は潰せ」発言が飛び出した。萩生田氏も出席していたことが明らかになっている。
萩生田氏はアベ政治の権化と言っても過言ではない。
ここで民主党がしっかり新人(野党)の側に回れば、「アベ政治との対決の構図」が鮮明になっていた。
出陣式には民主党市議団(会派名=市民・民主クラブ)の5人全員が参加した。自民党の街宣車に乗った伊藤忠之議員は「国政と地方政治は別」と答えた。
地方ならではの事情があるのは分かるが、有権者には分かりにくい。
八王子市に40年間住んでいる女性(70代)は「がっかりもいいとこ。(民主党が与党陣営に加わるのは)残念というより常識を疑う。このチャンスなのに」と渋い表情で話した。
~つづく~