「戦争法案」に反対する学生たちのハンストは3日目に入った。
きょうの東京地方は10月初旬の肌寒さとなった。冷たい風と共に雨が横から降りつける。
人通りもまばらな土曜日の国会前、ハンスト実行者の4人は傘をさして座り込みを続ける。
座り込みのスペースをビニールシートで覆ったりすると、警察から工作物とみなされ強制排除される恐れがあるからだ。
「何がいま一番つらいか?」と尋ねた。
「空腹よりも寒さです」。4人は異口同音に答えた。
パーカーの上にヤッケを羽織るなどして体温を奪われないようにしているが、それでも寒くて仕方がないようだ。
「手袋がしたい」と話す元木大介さん(専修大学4年生)の唇は紫色だった。
寒さを忘れるためだろうか。4人とも差し入れの本を読みふける。
井田敬さん(上智大学2年生)が目にしているのは、コミックの単行本「フードファイター」。大食い競争を描いた作品だ。15㎏も食べさせられる場面もあったりする。
「こんな目に遭うよりいい」。井田さんは空腹を笑い飛ばした。
維新の党の分裂もあり、安保法案は参院で9月11日にも採決されるとの見方もある。
「採決は許さないつもりでハンストを続けたい」。嶋根健二さん(専修大学4年生)は、寒さを吹き飛ばすように熱っぽく語った。
~終わり~
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