山本太郎議員が理詰めで安倍首相を追い込んだ―
安保法案を審議する参院安保特別委員会は、昨日に引き続き今日も安倍首相が出席して質疑が行われた。
山本議員は「教えて!ヒゲの隊長」の あかりちゃんになり代わって「実際に日本にミサイルを向けている国があるのか?」と突っ込んだ。
見せ場は原発へのミサイル攻撃だった。山本議員は「川内原発が弾道ミサイルの直撃を受けた場合、最大でどの程度放射性物質の放出を想定しているのか?(※)」と聞いた。
原発にミサイルが撃ち込まれれば、核攻撃以上のダメージとなる。日本が全滅するほどの被害となるだろう。
安倍首相の答弁は相変わらず、その場しのぎ だった―「武力攻撃事態はその手段、規模の大小、攻撃パターンが異なることから、これに実際に発生する被害もさまざまであり、一概にお答えすることは難しい」。
山本議員は昨年12月、政府に上記を問う質問主意書を出しているのだ。内閣総理大臣・安倍晋三の差出名で返ってきた答弁は「仮定の質問にお答えできない」というものだった。
きょうの質疑で山本議員はこれを逆手にとった。「今回の(安保)法案は仮定や想定を基にしているのではないか?」と。
A国、B国、ホルムズ海峡の機雷封鎖、日本人を乗せた米戦艦が攻撃を受けた場合・・・すべて仮定だ。SFファンタジーの世界でも起きそうにない荒唐無稽な例まである。
「(安倍政権は)仮定で物事をどんどん作っていっている。都合のいい時だけ仮定や想定を連発し、国防上ターゲットになりうる『核施設に関する仮定や想定はできかねます』ってどれだけご都合主義なんですか?」山本議員は語気も鋭く最高権力者を追及した。
「本当に生命財産を守るためだったら、ミサイルが飛んできて核施設が直撃されたらどうするか、対策はすでに出来ているはず。それができていない・・・」。山本議員は畳みかけた。
「日本の平和を守るため切れ目のない安全保障を」・・・安倍首相はうそぶくが、国民のことは露ほども考えていないことが、山本議員の追及により改めて浮き彫りになった。
質問を終えた山本議員は「(安倍首相は)弱気になっている、と一瞬だが感じた」と感想を語った。
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