この国では自分の選挙権が正確に行使されているのかを確認できないことがあるようだ。
筆者は14日夜、自分が選挙人名簿に記載されていて、自分が投票した東京都内のある開票所を参観しようとした。
開票所の玄関で、氏名、住所、生年月日を書いて入場し、開票作業の観覧席のある4階に行った。
ところが前方にはロープが張られていて『立入り禁止』の大きな札が懸かっていた。後ろから見るしかない。
傾斜のついている観覧席があれば、双眼鏡で投票用紙を見ることができる。ところがこの開票所の観覧スペースは平板だった。これでは肝心の投票用紙が見えない。
投票用紙の処理をめぐっては疑念が絶えない。コンピューター処理されるため、実際の投票数とコンピューターが弾き出す数字が違うのではないか、などだ。
有権者が投じた票が正しく処理されているか。それを確認するのは当然の権利だ。公職選挙法(第69条)によれば、開票の参観を求めることができる。
筆者はロープの内側に入った。ある記者クラブメディアの男性記者が筆者を けげん な目で見ていた。
男性記者の姿が消えて1~2分もしないうちに選挙管理委員会の職員が制服警察官を伴ってやってきた。
職員は「ロープの内側に入らないで下さい。入れるのは報道機関(記者クラブ)だけです」と、事務的に告げた。さも当然のような口調だった。
ここの住民ではない記者クラブ員は入れて、税金を払い選挙権のある住民が入れない。あまりに理不尽だ。
「有権者がロープの内側に入れないのは、何の法律に基づくのですか?」。筆者は問い質した。
選挙管理委員会の職員は「一般の方は外側で観て頂くことになっております」の一点張りだ。
筆者と同じように観覧に来た男性がいて、同様に職員から「ロープの外に出るよう」強く要請された。
彼も「法的根拠のない退去要請には応じられない」として、ロープの内側に居続けて、ビデオカメラを回し続けた。
記者クラブが権力の一角を占めていることは、疑いようのない事実だ。事実上、記者クラブ以外の観覧を認めないというのであれば、不正選挙はやり放題となる。