アベシンゾウの目指す「戦争ができる国」が完成に近づいた。政府批判を封印する「特定秘密保護法」も昨年末、強硬に決められている。
「憲法破壊のクーデター」が7月1日に決行されることは、マスコミ報道やネットで広く知れ渡っていた。
危機感一杯の市民たちが朝から断続的に首相官邸前で抗議の声をあげた。
30代のパート主婦は武蔵野市在住。4歳の男の子を連れて参加した。
「原発や秘密保護法の時も官邸前に来た。子どもを戦争に連れて行かれたりすると困る」。子どもに「戦争にいかされちゃうよ」と話すと、「痛いのはイヤだ」という。
「TVの中のことだと思っていて、まだ現実味がないが、あれよあれよのうちに突き進んでしまった」。
メトロ出口付近で話を聞いた。男子大学生は都内在住の19歳だ。
「秘密保護法の時も抗議行動に来た。学生だが、徴兵制になったら(戦争に)行く可能性があるので、集団的自衛権の行使はイヤだ。友人達もみな心配している」。
午後5時20分ごろ、「集団的自衛権の行使容認」を閣議決定したことが伝わると、どよめきが起き「安倍やめろ」の連呼になった。
この頃、車道を隔てて反対側の国会議事堂通用門前で事件が起きていた―
国会議事堂通用門前は首相官邸と対角線上にあることから「政権にもの申す場」として有名だ。
誰もが抗議の声をあげることができる場所で、山本太郎議員が集団的自衛権に反対する演説を行おうとしたところ、警察に排除された。
山本議員はじめ数人の市民が警察に押し倒されたり、腕をねじあげられるなどした。山本議員はアスファルトの地面に2度も尻もちをつかされた。
山本議員らは議事堂の歩道上を30メートルほど後退させられた。制服警察官はピケを張り通せんぼした。
「元の場所(議事堂通用門前)まで戻せ」。事件を知り駆けつけた人々が警察に抗議した。
国会議員が、公道上で倒され通せんぼされている状況は、ツイキャスなどで広く伝えられた。フリージャーナリストたちも事態を記録した。
30分ほど抗議が続いた。警察は事実上の衆人環視で分が悪いと判断したのだろうか。山本議員らが議事堂通用門前まで戻ることを認めた。
だが、警察は「きょうはここではやらないで下さい。あちら(国会記者会館側)でやって下さい」。あくまでも方針は変えなかった。
「警察は暴力で僕たちを排除した。これが安倍政権の姿です」。山本議員は訴えた。
国会議員に演説もさせず、押し倒して、30分間に渡り行く手を阻む。政権の言うことを聞かない者は国会議員であろうが警察による弾圧の対象になる。治安維持法の時代に入ったことを私たちは自覚しなければならない。
アベシンゾウが次に狙うのは共産党非合法化ではないだろうか。