「原発を止めるためには勝つ候補者でなければならない」。東京都知事選挙をめぐって脱原発候補の一本化を目指していた市民団体や環境団体のリーダーたちが、細川元首相を応援することに決めた。きょう、国会内で記者会見し明らかにした。
「細川一本化」を表明したのは「脱原発都知事を実現する会」。瀬戸内寂聴(作家)、柳田眞(たんぽぽ舎)、村上達也(東海村・前村長)、木村結(東電株主代表訴訟)、吉岡達也(ピースボート)、村田光平(元在駐スイス大使)……脱原発運動をリードしてきた著名人が名を連ねる。代表世話人は鎌田慧(ルポライター)、河合弘之(弁護士・脱原発弁護団全国連絡会)の2人。
「実現する会」は脱原発候補の一本化を目指して今月15日に細川、宇都宮両陣営と交渉した。だが交渉は決裂、一本化はならなかった。「実現する会」で話し合った結果、次のような理由から細川氏支持を決めた。
・細川氏の脱原発政策はいまだ明らかではないが、陣営は「再稼働反対」、「原発ゼロ」「脱原発を優先する」としている。
・宇都宮氏は脱原発を政策としているが、他の政策と並列させており、優先度が低い。
記者会見では実現する会のメンバーから「原発を止めるには勝てる候補でなければならない」とする趣旨の発言が相次いだ。
柳田眞氏(たんぽぽ舎・自治労OB)は細川支持の理由を次のように話す―
「脱原発問題は日本の存亡に関わる。アベの再稼働は日本を滅ぼす…(中略)“東京は日本の政策を決める力を持っている、脱原発もそう”というのが全国のねがい。アベを負かす可能性が高い人に任せた」。
広瀬隆氏(作家)は「“ ホソカワ対マスゾエ ”ではなく “ ホソカワ 対 アベシンゾウ ”なんです」と声を大にした。
米軍基地の辺野古移設が争点になった名護市長選挙の結果が示すように反対派は一枚岩になれなければ勝てない。宇都宮陣営を支援する脱原発派市民は少なくない。都知事選挙に向けて街宣やチラシのポスティングなど熱心な活動が続く。
代表世話人の鎌田慧氏は「宇都宮陣営との水面下での交渉はまだ続いている」と重ねて強調した。
《文・田中龍作 / 諏訪都》