この国が「人権後進国」に転落しようとしている。「特定秘密保護法案」をめぐって国連の人権高等弁務官が日本を名指しで批判したのである。「秘密の定義があいまいだ。政府にとって不都合な情報を秘密指定できてしまう」と。
これに呼応する形で人権NGO 5団体がきょう、共同で記者会見を開き、「特定秘密保護法案」に懸念を表明した。
記者会見したのは「アムネスティ・インターナショナル日本」「反差別国際運動・IMADR」「ヒューマンライツ・ナウ」「ヒューマンライツ・ウォッチ」「自由人権協会」。
「アムネスティ・インターナショナル日本」活動マネージャーの川上園子さんは「独立した監視機能がない。人権侵害を隠すことによって、人権侵害の免責を助長することが考えられる」と指摘する。
自由人権協会の藤原家康(弁護士)さんは「秘密自体が分からないので、(法廷で)争えない。法の支配が及ばない、いびつな事態を作り出そうとしている」。
藤原さんの指摘は深刻だ。この法案が通ったら、日本は法治国家ではなくなるということだ。
国連からも批判されたことについて「ヒューマンライツ・ナウ」事務局長の伊藤和子さんは「日本が人権に懸念のある要注意の国になってしまう。歴史の転換点となる法律になってしまう」と憂慮する。
治安維持法は戦争への道を開いた。歴史を逆戻りさせれば、後進国どころか暗黒国家となる。