今夜、1,300人ものテロリストが参院(会館)前に集結した。シャレで言っているのではない。自民党の石破茂幹事長が自らのブログで「秘密保護法案」の真意をポロリと漏らしたのだ。
同法案の第12条にテロリストの定義が書かれている―「政治上その他の主義主張に基づき国家もしくは他人に強要し…」と。政権批判は立派な主義主張であり、トラメガを使っての意見表明は強要にあたる。言論・表現の自由をテロと見なし、取り締まりの対象とするということだ。
目を皿のようにして膨大な字数の法案を読まなければ気づかないものを、石破幹事長は国民に教えてくれたのである。なんて親切な人なんだろう。
夕方6時から始まった「秘密保護法案・反対集会」は「石破糾弾集会」と化した。
「は~い、テロリストで~す」。手を挙げながら会場を歩く男性(50代)は、勤め帰りのサラリーマンだ。「黙っていられなくてここに来た。息子を戦争に取られる訳にはいかない」。男性は急に真顔になった。
テロリストの武器はキャンドルとペンライトだ。会場の参院(会館)前から溢れた人々が「永田町駅」まで列を作り、灯りが帯となった。
評論家の落合恵子さんがマイクを握った―
「大きな声で私たちの意見を述べることをテロなんて言う政治家に私たちの生存権を預けることはできない。私たちの生活を脅かすこの法案(秘密保護法案)こそテロだ」。落合さんは体を「くの字」にしながら声を振り絞った。
日本共産党の吉良よしこ議員は「国民が声をあげるのは憲法で保証された当然の行為です」とスピーチした。
吉良議員の指摘するように「言論・表現の自由」は現憲法21条で保障されている。ところが自民党の改憲草案では21条に第2項が創設されている。つぎのような内容だ―「公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない」。
石破幹事長の発言は失言でなく、実に “正しい見解” だったのだ。秘密保護法で国民を もの言えぬ 状態にしておいて改憲する。新憲法第9条に従って国防軍を創り、米軍と共に戦争に参加する ― 安倍晋三氏が思い描くシナリオではないだろうか。
国会周辺で仲間たちと共に政府を批判する演説などしようものなら、テロ行為とみなされ重刑に処せられるようになるだろう。