【3・11朝編】 喪服の男性「東電は一度死ぬべき」

黒装束の男性は「人の心を失くした東電に対する喪でもある」。=11日午前、東電前。写真:筆者撮影=

黒装束の男性は「人の心を失くした東電に対する喪でもある」。=11日午前、東電前。写真:筆者撮影=


 日本中を不安のどん底に突き落とした忌わしい日から、ちょうど1年が経つ。東京地方はあの日と同じように3月の柔らかい日差しが朝から降り注いだ。

 世界最大級の原発事故を起こした張本人でありながら当事者意識のない東電の本店前には、「再稼働阻止」を訴える市民がプラカードや横断幕を持って集まった。春の気配を追いやる緊迫した雰囲気が充満した。

 制服・私服警察官が十重二十重に取り巻く。東電前の警備のものものしさは一年経った今も変わらない。

 横浜市から足を運んだ男性(会社員・40代=写真上)は下着に至るまで黒装束で参加した。男性は毎月一度行われる東電前での抗議行動に欠かさず顔を出す。

 「悪の原点に直接メッセージを突き刺すことができるのがこの場所。黒装束は自死に追い込まれた福島の農家の人達への喪であり、東電への喪でもある。東電は一度死ぬべき」。男性はもの静かな口調の中に怒りを込めながら話した。

 福島県喜多方市出身の女性(会社員・30代=写真下)も東電前での抗議行動は欠かさず参加する。

 「きれいな福島を返してほしい。東電の責任は徹底的に追及していく。責任を取らせないとまた同じ事が起きる」。こう語る女性の目はすわっていた。

 男性も女性も福島の事故が起きるまで、脱原発とは無関係だった。左翼運動のツールとも言えた反原発運動は、政治色のない市民に広がったことだけは確かなようだ。

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「原発事故が忘れ去られようとしている」。福島県喜多方市出身の女性(手前)は危機感を強める。=写真:筆者撮影=

「原発事故が忘れ去られようとしている」。福島県喜多方市出身の女性(手前)は危機感を強める。=写真:筆者撮影=

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